どこかおすすめのレストラン...。
ホテルのレストランでもいいし、ホテルの外に出てもいい。周りにはいろいろな店があるんだから、別にホテル内にこだわる必要もない。
俺がよく行っていた店となると...。
支社長に教えてもらった、あの店がいいか。
美空もその店に行きたいと言った。
二人肩を並べて店までの道のりを歩く。
賑やかな駅前の通り。土曜日の夕方ということもあってか、交通量も多く、人通りもかなり多い。
そんな中、美空と会話しながら、ときどきぶつかり合う視線。
その度に、愛しさがこみ上げ、脈動が激しさを増す。
急に顔を逸らした美空の態度が気になって、どうしたのか尋ねた。
「............」
可愛いことを言ってくれる。俺をどれだけ煽れば気が済むんだよ。
ヤバいだろ、それ。
愛しくて抱きしめたくなる。
人ごみの中で、さすがにそれはできない。
でも、美空に触れたくてたまらない。
美空があまりにも可愛くて、思わず、横を歩く彼女の手を握った。
ほどなくして、店に到着。
暖簾を潜り、店内に入る。
「いらっしゃ...。海堂さん!」
女将が飛び切りの笑顔で迎えてくれる。
出張で来た旨を説明し、ビールを注文。
女将の笑顔が素敵だと言う美空に、お前の笑顔も素敵だと告げるや否や、彼女は照れて俯いてしまった。
その仕草が可愛くて。
からかうなと言った美空。
頬を膨らませて、上目づかいに俺を見る。
――――ドクン――――
うわっ、その表情も可愛すぎんだろ。
ていうか、お前、もっと自分に自信を持てよ。