「お、おはようございます。」

緊張で声が上ずりそうになりながら、
私、吉澤 胡桃はたった今から入学する、真田中学校の
校舎の前に立っている先輩たちに挨拶をしていた。

私は、先輩たちから左胸にリボンを付けられ、
自分の名前の書かれたクラスに向かっていた。
私はC組。
小学校のときに一番仲良しだった山口 純奈とは別れてしまったが、
昔から仲良くしていた所野 麻美と一緒のクラスだった。

クラスの教室に着くと、担任である
湯川 江里先生がいた。

私は、自分の席がどこにあるかがわからず、オドオドしていた。

「おはようございます。
どうかした?」

湯川先生が声をかけてくれた。
不安でいっぱいだった私は、
声をかけてくれた湯川先生が、女神みたいだった。

すぐ後に入学式が行われた。