ガヤガヤ・・・。

「ねー、昨日のテレビ見た？9時からやってたやつ」

「見ましたよーっ！！すっごい面白かった！！」

「だよねーっ！！ウケた」

全く練習する気配はなく、楽器を片手におしゃべりを始める部員たち・・・。

私たちが入部する前のブラスバンド部はいつもこうだった。

見た目通りおしゃべり部。

たいして良い成績をおさめている部活動なわけでもない。

たいして練習してるわけでもない。

この状態では、彼女らの楽器が上手くならないのも当たり前としか言いようがなかった・・・。

基本的な音楽用語も知らず、好き勝手やっていた彼女らは、他校の生徒にとっては『かわいそう』と言うことしかできなかった。

楽器を教えられる先生も居らず、ただただ時間だけが過ぎて行く。

そんなブラスバンド部に奇跡の風を吹き込んだのは1人の先生であった。