美姫「ねぇ、美亜?
真穂はね、多分だけど最初から美亜の事信じてたと思うよ?
私に話してくれたんだけど夜、美亜と智輝が話してる声が聞こえたんだって。
ほら、美亜と真穂、家が前でしょ?車もあんまり通らないし。聞こえちゃったみたい。“好き”って─…。
それでね、美亜も何にも話してくれなくて。
それが嫌で怒ってたの。
知ってた?」

『知らなかった……』

そっか、そっか……。

真穂。ごめん…真穂─…










真穂と私は今まで喧嘩なんて1度もした事がなかった。喧嘩のけの字だって何処にも見当たらなかった。
それくらい私達には縁のない言葉だったんだ。

大好きな真穂。
1番の親友の真穂。
1番信用できた真穂。

私達の中に偽りなんて何処にもなかったよね?
嘘なんてついた事なかった。隠し事なんて当然なかった。

なのに、なのにごめんね?
裏切られたってそう思ったよね?本当にごめん…本当に─。
真穂のためを思ってついた嘘が、逆にこんなにも真穂を傷付けるなんて思いもしなかった。