私の怒り、悲しみがおさまった頃には授業が始まっている時間だった。

「完全遅刻ー!!」

『ごめんね?』

「はぁ?美亜のせいじゃないしなー!この際!!堂々と遅れてやるもんねー」

『愛……』

そう呟いたら愛はニコッと笑って見せた。








昇降口の前………
私の足は、ピタッと止まってしまった。

「美亜……?」

『愛…こ、怖い。皆が怖い。』


「美亜…………
大丈夫!敵も居るが見方も居る!!ほら、此処にも一人♪」

と言ってあたし、あたし!と自分を指しながら愛は笑っている。

『ぷ……ぁはははは
愛可愛い!!』

「ゃーと笑ったー!」

『ぇ?』

「美亜ずっと顔が強張ってたんだよ?」

『ま、まじ』

まじまじと言って愛は笑っている。


笑っていたと思ったら急に真剣になり

「美亜?美亜は付き合ってないんでしょ?」

と言われコクコクと首を縦に降った。

「だったら堂々としてればいいじゃん?嘘なんて付いてないんだから、ね♪」


何で愛はこんなにも私に勇気をくれるの?
本当にありがとう。

愛のお陰で私は昇降口を入る事が出来た。