洞窟につくまで、先生は何も話さなかった。
私が、意味はない、なんて嘘を言ったからだろうか?

しゅんとして考えていると、先生に声をかけられた。
「姫、お前、ここで待ってろ」
え?こ、ここで待つの?
後ろを見ればすぐ海。ちょっとくらっとしたら海に沈んでしまう。

「わ、私と行くのは、嫌ですか…?」

勇気を出して聞いてみると、先生は目を見開いて驚いた。
初めてかもしれない。自分の感情というか、想いを言ったのは。