桜貝を探している二人を遠目から三人で見守る。
「姫は、恋してねぇの?」

中田くんがふと問いかけてきた。
恋…か。よく分かんないんだよね。
どうなったら、恋をしているって分かるんだろう?

そのことを聞いてみると、中田くんと大石くんは眉を潜めた。
「んん~。俺らもなんとも言えねぇけどな?」
「ああ。ただ、なんか…直感だよな」

直感…?

「なんか、その人といると楽しい、とかその人が嬉しそうだと自分も嬉しくなったり、その人のことで悩んだりしたら、もうそれは恋なんじゃねぇ?」