「おいっ」

結城真一に言われて、体がびくっとする…。
こ、怖い…。

怖さで自然と身を寄せあうともちゃんとあきなちゃん。
あたしはひとりで縮こまるしかない…。

「もー、シン、怖いよ?」

のんきに言う平野篤の存在だけが救いに思えるわ…。

「どうしたの?」

平野篤に聞かれて。
でも、どうしたもこうしたも。
この状況をなんて説明したらいいの?

「え、えっと…」

ああ、もう、どうしたらいいの?
さっきからこればっかりを考えてるけど…。
結論なんてでないわ。

結城真一がちらっとあたしを見る。
なんであたしを見るのよ!?

「何かあったの?」

平野篤は優しく言うけど。
状況がわからないから困ってるみたい…。

それはそうよねこんな状態…。
あたしだって困ってるんだから…。

「あのっ、結城くんは御崎さんと付き合ってるんですか?」

あきなちゃんの
勇気振り絞ってますっ!!
見ててわかるくらい、震えた声。

結城真一に話しかけるにはそれくらい勇気がいるのよね…。
気持ちわかるわ…。

「あ?」

でも、結城真一は怖い顔…。
怖い顔で睨まれてすごまれて、あきなちゃんは怯えてるみたい。

そうよね、めちゃくちゃ怖いもん。
気持ちわかるわ…。

「なんでおまえに言わなきゃいけねーんだ?」
「もー、シンってば」

またしても平野篤ののんきさが際立つ。

「付き合ってるよ、文句あんのか?」

ぎゃ…
ぎゃぁああああー!!
なんてこと言うのよっ!!
なんでわざわざ!!
そんなこと言わなくてもいいでしょ今ここでー!!

結城真一の思いがけない言葉に、ともちゃんとあきなちゃんはとんでもなく驚いた顔。

あっ、あたしだってびっくりしてるんだからっ!!

「そうなの?」

あきなちゃんが、今度はあたしに聞いた。
全員に注目されて視線が痛い。

結城真一にも睨まれて
早く言えっ!!
って言われてるみたい…。