「おっ、来ましたね? 杏里さんが」


あ、杏里さん!?


「てめえ、名前出しやがって……」

「あ、しまった。すんません!」

「まあいい。どうせすぐにばれるんだし。出迎えて来い」

「へい」


嘘……

この人達が言う“彼女”って、バイト仲間のあの杏里さんなの!?
そんな……


「驚いたかい、お嬢さん?」


そう言われても、私は言葉がなかった。驚きすぎて。


「でもよ、杏里さんを恨むのはお門違いだぜ?」

「えっ?」どういう意味?

「杏里さんよりもっと悪い奴がいるのさ。しかもあんたがよーく知ってる男でな」

「私が知ってる男の人、ですか?」

「ああ、そうさ。たしか苗字は松本っていったかな」

「は、悠馬さんですか!?」


サブって人は、いったい何を言おうとしてるんだろう……