もう、この人達ったら、なんて事を……。信じられない!


立ち上がって逃げようとしたら、サブという人に肩を上から抑えられてしまった。


「おっと、逃がさねえよ、お嬢様」

「放してください。私に触らないで!」

「おお、やっと暴れる気になったか。そうでなくちゃ、ヤリ甲斐がねえってもんだよな?」

「そうっすね。へっへへへ……」


小林さんに酷い事をした男が、変な笑い方をしながら再び私に手を伸ばして来た。でも、私はサブって人に肩を抑えられていて身動き出来ず、絶対絶命だ。

私にはもう、助かる術はないのかしら。ここで、この人達に……


ううん、そんなのイヤよ。何かとかしなくちゃ。何かあるはずだわ。助かる方法が……


男の手が私のコートの前をグイと掴んだ時、私はある事を思い付いた。