「はい、確かにそうですが、どういう事でしょうか?」

「私は、お嬢様をお宅までお送りするよう指示されております」

「それは誰からですか?」

「社長からでございます」

「社長って、パパ……吉田亮平ですか?」

「左様でございます」


パパが車を……? どうして?

悠馬さんは、小さな声で「やられた……」と呟いたけど、どういう事なのか、私は頭の中が今ひとつ整理出来ていなかった。


「あの……家で何かあって、それで私は急いで帰らないといけないのですか?」


私は思い付いた事を聞いてみた。つまり、家で何か重大な事が起きていて、私は大急ぎて帰らなくてはいけなくて、それでパパがこの方をお迎えに寄こしたという可能性。

有り得なくはないと思うけど、それにしては何か変だなと思った。