「1年前。お前が俺達に背中を向けてから・・・。俺達は変わった。いや、俺が変わった」
小野寺龍の言葉は、聞く気のない私の心にスッと入ってくる。
「それまで、俺は女遊びをしていた。お前と寝た時も、俺はそれだけの関係だと思ってた。
でも、俺は・・・。お前の心の奥にある闇を察したんだ」
「・・・・・・」
「いや・・・。本当にお前の心の中に闇があるのかどうかは分からないが・・・、自分と似ていると感じたんだ」
「・・・・・・」
「それで、お前に興味をもった。一晩だけの関係だと思っていたけど、もっと知りたいと思った。もっと、たくさんの関係をもちたいと思った。
でも、愛美は忘れていた。
それから、背中を見送ってから・・・」
「・・・・・・」
「俺は変わった。
前にしていた女遊びがもっと酷くなった。
夜。町を歩けば、そこらへんにいる女に片っ端から声をかけて、誘って、一晩を過ごした。それが、まるで自分の生活の一部であるかのように・・・」