そのまま何も言わずにいると、亮祐が言葉を続ける。
「お前は何も気がつかないで、笑ってたな?
俺の名演技、すごかっただろ?」
「・・・じゃ・・・、じゃぁ、私はなに?亮祐に告白して、俺もって言ったよね??あれは、何だったの?」
「確かに、『俺も』って言ったけど、愛美のことが一番好きだとは言ったことはないけど?」
「それじゃ・・・」
「俺は、愛美のことは好きだよ。ただ、愛美よりもその子のことが好きなんだ。世界で一番ね♪」
あの子に見せたあのとびきりの笑顔を見せた。
私に一度も見せたことないあの笑顔を・・・。
私はその時悟った。
私の決意は、無駄なものだったと・・・。
だって、『別れる』なんて決意は、存在しないから。
そもそも、私たちは付き合っていたわけではないのだろう。
だったら、私は亮祐の何?
・・・きっと、セックスをしないセフレ。
その間には、本当の愛はない。
きっと、私は亮祐の暇つぶしに利用されたんだ。
ただの、暇つぶし・・・。
それは、冷たく、悲しい現実だった。
それから、五人の友情は壊れていった。
その時に友情はモロイことを知った。
それと同時に、恋愛が無意味なものだということも・・・。