「おおぁ~!やっときたかぁ~、龍♪」



「遅れて悪い」



「どーせ女と一緒にいたんだろぉ~!?」



「うるせ~よ」


アキラと親しげに話す彼はとてもいい香りがした。




「あ~、愛美ちゃん♪コイツ、紹~介するねぇ~」


そう言いながら彼の肩に腕を回し、ニコっと笑うアキラ。



「コイツは、中学からの親友の小野寺龍!なかよくしてやって!!」



「よろしく♪龍って読んで」


アキラの紹介の後、龍は握手を求めてきた。


「よろしく」


それに促されるように、手を差し伸べ、握手をした。



あっ・・・

この香り。

知ってる。



「なにか、香水つけてますか?」


つい出てしまった言葉。


「ああ。少しだけ」


そう言って笑った彼の顔は、どことなく影があるように思えた。