「何を言ってんのよ。全然おかしくはないわよ。ねっ、戸部さん」


「うん、全然おかしくないわよ。よく似合ってるし」


「……」


二人は優しいから…


「楓ちゃん、自分にもっと自信を持ちなさい」


「えっ?」


緒方さんが私の顔を覗き込み


「楓ちゃん、貴女は素敵な女の子よ」


「緒方さん」


「お世辞なんかじゃないから。その証拠に私達だけじゃなくカナ君もカメラマンの美作さんも他のスタッフもみんな『楓ちゃん』って親しみを持って呼んでるでしょう?」


それは芸能界だから…


「貴女は周りを和ます雰囲気を持ってるわ」


「……」


「だから貴女といるとみんなが笑顔になる」


いや、ただ旦に笑われているだけですから。