「楓ちゃん、着替えてメイク落としましょう」


緒方さんに声をかけられ


「あ、はぁ~い」


桐生さん、美作さん、吉武さんに


「失礼します」


ペコッとお辞儀をしてバーラウンジを出て下の部屋に戻る。


今まで着ていたドレスやアクセサリーやピンヒールを脱いで自分の服に着替えて緒方さんにメイクを落としてもらいついでにマッサージをしてもらってナチュラルメイクまでしてもらった。


纏めていた髪もほどいて…まだクルンクルンの巻き毛だけど。


「緒方さん、こんな普通の恰好に大丈夫ですか?」


「何が?」


緒方さんが首を傾げ


「いや、このメイクとヘアスタイル、浮いてません?」


私の恰好は撮影の手伝いだと思っていたからジーンズにシャツとカーディガンとブーツというこのホテルには全く不似合いな恰好。


撮影隊に紛れているからいいけど…顰蹙(ヒンシュク)もんよね。