カシャッ!
カシャッ!
美作さんの撮るシャッター音だけが、この静かな空間に響いている。
でも今の私はその音すら気にならず、ひたすら桐生さんの顔を見つめる。
う~ん、これだけ穴の空くほど見てるのに見つからないのは
「桐生さん」
「ん?」
私のじろじろ視線がおかしいのかずっと鼻がピクピクしてるんだけど何とか笑いを堪えてる桐生さんが
「ど、どうした?」
ほら、声も上ずってるし。
「本当にホクロあるんですか?私が桐生さんの顔を見るための嘘じゃないんですか?」
写真には声は入らないから、美作さんやレフ板を持ってるスタッフさん達に聞こえている。
案の定
クスクス笑いが聞こえてくる。