「はい、OK」


ふぅ~これで終わりね。


スツールから立ち上がると


「次は窓辺へ」


へっ?まだあるの。


緒方さんが走って来てカクテルを飲んだことにより剥げた口紅を塗り直してもらい


「はい、これで綺麗よ」


「ありがとうございます」


次に桐生さんのテカりを抑えて髪を整えてる。


その間に窓辺へ行き…ちょっと深呼吸


ずっと桐生さんの側にいて慣れないヘアメイクにドレスにピンヒールにカメラ


体が緊張しちゃってしゃちほこばってる。


私以外の4人もこんな思いをしているのかしら?


ううん、違うわね。

後の4人はファンなんだもん。


きっと夢見心地で幸せなんだろうな。


……





でも私も幸せなのかも。


今だけのシンデレラなんだから。


女の子としては素敵な女性に一時(ヒトトキ)でもなれたんだもん。


それに飛びきりの王子様付きだし。


例え偽物でも、いい思い出にはなる。