桐生さんに着いてバーカウンターへ


スツールに座り


桐生さんの前には…何のお酒だろう?


ウイスキーの水割りなのかな?


そして私の前には綺麗な紅いカクテル


これも何かしら?


ま、撮影用だから飲まないし関係ないか。


「楓ちゃんグラスを持って」


「あ、はい」


カクテルグラスはこの足を持つのよね。


親指と人差し指中指でグラスを持って


「じゃあ乾杯」


桐生さんがグラスを合わせて…飲んだ。


私…どうしたらいいのかな?


桐生さんを見ると


「口付けていいから」


「はい」


グラスの縁に唇を…


その様子をカメラマンさん…美作さんって言ったっけ…シャッターを押していく。


――





うん?


何で私を撮ってんの?


私は桐生さん越しでしょう?


私の側から撮らなくていいんじゃないですか?


と思いながらも…言えない。