「そんなのばかりが周りにいるわけ。俺達が心許せるのは…そりゃ友達はいるけどみんな社会人になって学生ん時みたいに会うこともあまりなくなった。だから吉武先輩とかさっきのカメラマンの美作さんとか緒方さんや戸部さんやスタッフなんだ。そこに楓ちゃんが現れた。俺達のファンどころか芸能界のことを殆ど知らなくて、今回のことを引き受けたことすら後悔してるような普通の子。だから何か新鮮で…見ていて楽しいんだよ。決しておかしいから笑ってるんじゃないし、ましてその恰好が似合ってないなんてありえないから。本当に似合ってる。朝の可愛らしい恰好から急に大人っぽくなったからドキッてしたくらいだし」
「……」
恥ずかしくなって俯いてしまった。