「じゃあ玉を突いて」


カメラマンさんの指示で


「楓ちゃん、さっきと同じように手を添えるだけでいいからね」


「はい」


カン


キューが玉を突いて…玉が玉に当たって…穴(ポケット)に入っていく。


わ、わぁ~す、凄い!


「桐生さん、凄いです!」


「ありがとう」


「本当にお上手なんですね。お好きなんですか?」


「何言ってんの。ダーツもビリヤードも教えてくれたのは吉武先輩と山科先輩だよ」


「えっ?」


兄貴がですか?


「知らなかった。兄貴こんなお洒落なことするんですね」


「クッ!クッククク…お、お洒落なって」


「……」


あれっ?おかしいですか?


「ハハハ…」


まだ笑い続けてるし。


……





本当に分からない人だ。