そして背中に心臓を感じる。


ドキドキ…


だ、大丈夫だろうか私?


た、たぶん今…真っ赤だよ。


それに私の心臓が煩い。


倒れずに済むか…不安だよ~



「楓ちゃん、まだ緊張してる?」


耳元でそっと


「は、はい」


そんなの聞かなくても分かるでしょう?


「俺を本当の恋人だと思って。これはデートなんだから」


「……」


そんなこと言われても恋人なんて持ったことないし、こんなデートしたことないよ。


「ね」


だから!


耳元で囁くのは止めて下さいって。


いくら此の場限りの恋人役でも私にはハードルが高すぎるんですから。