「なんしか心配性なんだよアイツは」
どこが?
「楓ちゃんには分からないかも知れないけどアイツにとって楓ちゃんは大事な大事な妹だからね」
「そんなこと」
「あるよな」
「う、うわっ!」
いきなり後ろから声がしたので飛び上がりかけた。
「だから楓ちゃん、いい加減に馴れてって」
桐生さんが苦笑い。
「す、すみ…あ、き、桐生さんこそ驚かせないで下さい」
「すみ」と言いかけた時、またニヤリと。
ふん!
絶対にしっぺなんかさせるもんですか。
「驚く楓ちゃんが悪い」
「そ、そんなぁ~」
私がよほど情けない顔をしたのか
「奏人、楓ちゃんを苛めるな」
うんうん。吉武さんもっと言って下さい。
「楓ちゃんも一々驚かないの」
「……」
何で私まで…
「ほら、膨れてないで撮影だよ」
桐生さんに腕を取られてビリヤード台へ