「彼氏いんの?」
「へっ?わ、わぁ~」
いきなり声をかけられて振り向いたら真後ろに桐生さんがいた!
本当にこの人は私をよく驚かす人だな。
「カナ君、笑いは収まったの」
「あ、すみません」
「フフフ…さ、メイク直しましょうね」
緒方さんが桐生さんのテカりを抑えヘアを直す。
「楓ちゃん、ちょっと」
「はい」
吉武さんに呼ばれてカメラマンさんの所へ
次の撮影のシチュエーションを聞いて
「ダーツはしたことある?」
「すみません。ないです」
「謝らなくていいから。いや経験ない方がいい」
あ、そうなんですか。
そこに桐生さんも入って来て詳しく…
――
―
「は、はい?そ、そ、そんな~」
「大丈夫だって」
そりゃ桐生さんには何ともないことでしょうが私は一般人です。
「じゃあ、それでいこう」
私なんて全く無視。
確かに桐生さんのファンなら大喜びでしょうが、私には先程の女の子の冷たい視線が頭にこびりついてるんだよ。
それに応募されたファンクラブの人達に申し訳ない。