「ククク…」
「……」
今度は笑い声が降ってきた。
顔を上げると今にも吹き出しそうな桐生さんと目があった。
「あの、何がおかしいんですか?」
何か笑うことある?
「い、いや…ご、ごめん。ハハハ…」
遂に堪えきれなくなったようで吹き出した。
本当にこの人…ゲラだ。
でも何を笑ってんだろ。
周りに目をやってもおかしいことなんてないし、第一カメラマンさん達も急に笑い出した桐生さんを不思議そうに見ている。
「あ、す、すみません」
彼も周りに気づいたようで…そのお陰で漸く解放してもらえた。
「カナ、どうした?」
「いや、何でもありません。ホントすみません」
「いや、その笑い顔もいいよ。滅多に笑わないカナにしちゃ珍しい」
へっ?
この人、笑い上戸さんじゃないの?
てか、まだ笑ってるし。
……
…
よく分からない人だなぁ。