「ん?どうかした」


「えっ?な、何でもありません」


じっと見つめられると訳もなく顔が赤らんでくるじゃない。


見ないで下さい。


って心で叫んでも当然相手に聞こえる筈もなく…


一歩私の方へ


当然私は一歩退き…


「あっ!」


慣れないピンヒールなので…


「危ない」


転けそうになったのを咄嗟に抱き止めてくれた。


「大丈夫?」


「は、はい。すみません。ピンヒールなんて滅多に履かないんで」


何でこの人の前でこんなドジばかりしてるんだろ。


どんくさいって思われてるんだろうな。


「女の人は大変だね。俺は男でよかったよ。そんなの履いた時点で歩けやしない」


はぁ、そうですね。

…って


「あ、ありがとうございました。もう大丈夫ですから」


何故か腰に手をかけられたままだった。


慌てて離れようとしたら!


「楓ちゃん、写真撮られてるから」


「えっ?」


顔を上げて周りを見ると


!!!


確かにカメラが私達を捉えていた。