「吉武さんが先輩なのは当然知ってるよ。あの頃から俺達のサポートしてくれてたから」


「……」


あ、そうなんだ。


ってことは『Esperanza』は大学からやってた訳なんだ。


「楓ちゃんの兄さんも当然知ってるよ」


「えっ?」


う、嘘!


そんなこと聞いた覚えない。


「クッククク…ハハハ…」


また笑いだしたよ、この人。


何がそんなにおかしいんだろ?


「ククク…ご、ごめん。でも今の楓ちゃんの顔…鳩が豆鉄砲喰らったような吃驚した顔してるから」


あっ!


慌てて口を閉じる。


「吉武さん共々お世話になったから」


「はぁ」


「サークルが一緒だったから」


サークル?


兄貴…何のサークルに入ってたっけ。


えっと…


「あ、フットサルですか?」


確かやってたよね。


「ブー残念でした」


「……」


他にも何かやってたっけ?


「一応俺…ミュージシャンなんだけど」


「は、はい。それは勿論でございます」


「クククク…本当に面白いね」


「……」


別に笑かしてません。


でも先輩だしスターだと思うとやはり敬語でないととか本能的に思うようで。