『好き』か『嫌いか』って聞かれれば『 好き』なんだと思う。


でも『愛してるか?』と聞かれれば答えはまだ分からない。


だって今朝まで全く知らない人だったんだから。


でも、でも…


「桐生さん」


「ん?」


「私に時間を下さい」


「楓ちゃん」


「桐生さんが私を見ていてくれた時間を私にも下さい」


「……」


桐生さんから一歩退き真っ直ぐに瞳を見つめる。


「私…知りたいんです、桐生さんのこと。そして桐生さんにも知ってほしいん です、私のことを」


「楓ちゃん」


「Fakeじゃなくて桐生さんの…」


その先は恥ずかしくて言えない。