「楓ちゃんのことをさりげなく先輩に聞いたりして」


再び話が…


「ククッ!俺としてはさりげなくのつもりだったけど先輩にはバレバレ。説教された」


「す、すみません」

本当に兄貴は!


「謝ることはないよ。先輩の言うことはもっともだったし」

「……」


「先輩は『楓に興味持つのはお前の勝手だけどな、お前はこれからプロとしてやってくんだろ?先ずは目の前のことをやれ。そして一人前のプロになった時にまだ楓に興味があるなら考えてやる。華やかな世界に入るんだ。魅力的な女だって一杯いる。もし今、楓と付き合ってそっちの方がいいって思ったら楓が傷つく。第一お前は楓のことを何にも知らないんだからな』って」


「……」


「その言葉は当然だと思った。だから楓ちゃんのことは考えずに目の前にあること、プロとして自立出来るように突き進んだよ」