「俺がぼけ~っとしてたらしく先輩に聞かれて楓ちゃんが迷子になってた話をしたら笑ってた」


そりゃ…そうでしょうね。


でも兄貴そんなこと一言も言わなかったけど。


「それからも何かにつけて家に行ってた」


「えっ?」


「あぁ。あわよくば話せるかなとかちょっと下心あったんだけど」


「……」


「クッククク…鉄壁の先輩が立ちはだかった」


「お兄ちゃんが?」


あの人はいったい何をしてるんでしょう、毎回毎回。


高校の時だってクラスメートと一緒に歩いてただけで相手を威嚇してたし。


お陰でクラスで有名だったわよ、山科の兄貴はめっちゃ怖いって。


だから恋人どころかボーイフレンドだって…


あ~なんか思い出したら腹立ってきた。