「楓ちゃんは酒とツマミを置いてさっと部屋から出て行った」
「……」
兄貴の友達の中には色んな人がいて…
お酒が入ると私をスケベな話でからかう人もいたから兄貴が絶対に相手にするなと言われていたから目も合わさず置いたら直ぐに立ち去っていた。
だから桐生さんが来ていても気づかなかったんだ。
うちは父親がいないから兄貴が父親代わりのつもりか知らないけどちょっと過保護気味だから。
特に男性関係はやいやい言うから可哀想に、この年までまともな恋愛出来なかったんだから。
「楓ちゃんが部屋から出て行って」
再び桐生さんが話し始めた。