そう思って
しまう程可愛かった。


大きな目に
肩まである黒の
ふわふわな髪、
睫毛は長くて
華奢な体。


思わず守って
あげたいと
思ってしまうような
容姿だった。


返事をしない私を
見て不思議に
思ったのだろうか。


顔を傾け
大きな目をパチパチ
させて私を見た。


あっ、私は
急いでカバンから
ミニホワイトボードを
出して


"私の名前は
櫻井アリス。
声が出せないんだ。
よろしくね!"


と、書いて
星蘭ちゃんに見せた。


どうせ
また同じ。


今までの皆と一緒。
私が喋れない事を
知ったら
拒絶する。


私は
そう思っていた。