『あら、華那くんおはよう』
『おはよーございます』
ここは孤児院
ここにいる子供はみんな親がいない。
もちろん、俺もその1人だ。
親がいない理由は人それぞれ
育児放棄、親を亡くした子
俺の場合は家庭内暴力というやつだ。
ここに来たのは3歳くらいだから親の顔はまったくといっていいくらい覚えてない。
だけど寂しいと思ったことはほとんどなかった
あったのは楽しさ
それと苦しみと辛さ
強いていうならこの3つだろう
親がいないと学校でからかわれて
「なんで俺にはお父さんとお母さんがいないんだろう?」
ただただ疑問が増えていくだけだった。
だけど孤児院に帰るといつも 誰かが笑顔で迎えてくれて
どんなに辛いことがあったひでも笑顔になれた。
だから俺もまわりのみんなに同じことをした。
誰にでも優しく接して 頼って頼られて、尊敬して 尊敬されて
高校を卒業して院をでてからは
たまに同じ院にいた同年代の子同士で集まったり、孤児院に遊びにいったり
こんな貼り紙をみるなんて知らずに