「マモルには感謝してる」


「当たり前だろ。こんな世知辛い時代に無償で働く若者はそうはいないぜ」


そう言うと、ミチルに手を握られた。


鼓動が暴れ出す。


「マモルの手、大きくて頼もしい」


かすれた声でそう言い、顔を向けた。


至近距離で見るその艶っぽさにドギマギする。


ユイの顔が浮かんだ。


彼女が知ったらどう思うだろう。


私は病魔と闘ってるというのに先輩ときたら・・・サイテイ!


アカンベーだけじゃすみそうにない。