鬼瓦島には標高千メートル近くの山がそびえる。


鬼瓦山を目指した。


後部座席にはノボルが行儀よくお座りしてる。


「でもあの免許、偽造だろ?」


「うん。でもわざわざこの時代の教習所に通う必要もないでしょ」


「そうだけど、レンタカー屋の兄ちゃんにばれないか冷や冷やしたよ」


「ワタシもドキドキした」


「もしばれたらどうするわけ?」


「手を握って泣きながら訴えるのよ。『どうか見逃してください』って」


「とことん女を武器にするんだな」