とりあえず荷物を預け、島にただひとつのレンタカー屋にアポをとった。


運転はミチルがした。


貧乏学生のオレは免許を持ってない。


黒いミニバンが海沿いのカーブをスイスイ進む。


「運転うまいじゃん」


「そう? この時代の車って、運転しづらいことこの上ないよ」


「いつ免許取ったの?」


「19のときよ」


「ふーん。じゃあ少なくとも19より若くはないわけだ」


「うわっ、引っかかっちゃった」