船の旅は快適だった。


ジェット何とかという高速船だ。


揺れはほとんどないし、何より速い。


一眠りして起きると、到着が間近であることを告げるアナウンスが流れ、窓の向こうに鬼瓦島の岩場が見えた。


しかし、宿はミチルがケチったのか、一流とは程遠い代物。


ホテルじゃなく旅館である。


野球部の合宿で泊まるような、天井の低い木造家屋だ。