「で、ユイちゃんに想いを伝えたわけ?」


病院から駅までの道すがら、ミチルがヒールの音を響かせ尋ねた。


細い腕で二泊三日分の着替えが入ったキャリーケースを引っ張る。


黙って首を横に振ると「やっぱりね」と鼻で笑った。


「今笑っただろ?」


「だって意気地なしなんだもん」