「鬼瓦島って、あの鬼瓦島ですか?」


「そう。知ってる?」


「アド街ック天国で見たことあります。ここから随分離れてるけど、確か一応東京都で、ダイビングのメッカなんですよね」


「よく知ってるじゃん。二、三泊する予定だからしばらくここへは来られないんだ」


「先輩って薄情ですね。私をおいて、そんな楽しいところに行くなんて」


ユイは口をとがらせた。