ユイはこの前と別人のように、元気がなく、顔も青白かった。


オレたちを迎え入れる笑顔はぎこちなく、焦点が定まってない。


病魔が華奢な身体をむしばんでるのだろうか。


想像するだけで動悸が激しくなり、涙が溢れそうになる。


けど、ユイに病状を悟らせちゃいけない。


彼女はまだ何も知らないのだ。


上を向いて涙をこらえると、ふっと息を吐き、明るい自分を演じた。


お母さんの姿はなかった。
そのほうがかえって都合がいい。
あの悲しげな顔を見ると、余計につらくなる。