「ただのプロ野球選手じゃないの。超がつく一流選手」


「へえ。すごいじゃん。名前、何て言うの? オレの知ってる人かな?」


「知るわけないでしょ。うちのパパはマモルなんかより、うんと後に生まれるのよ」


「そうだった」


「おっちょこちょいなんだから」思い切り肩を叩かれた。


「じゃあミチルも野球、好きなの?」


「好きなわけないでしょ。あんな金まみれのスポーツ」


「金まみれか。まあ確かにそうだな」


「あの世界は、いい人も多いけど、悪い人も結構いてさ。うちのパパも騙された口なのよ」


「おいおい何だよ。聞き捨てならないなぁ」


「まあそのうち、機会があったら話すわ」