二人きりだったら抱きしめてると思う。


「少し川原を歩かないか」


「次のデートの相談ですか?」


「いや、ちょっと話があって」


神妙に言うとユイは監督の承諾をもらいに行き、すぐに戻ってきた。


冬の川原を吹く風は意地悪でどこまでも冷たい。


見る見るうちにユイの鼻を赤く染める。


オレの鼻も同様にトナカイ化してると思う。


立ち止まり、川面を睨み付けながら言った。