ベンチに座り、とりとめもない話をした。


思い切って体をくっつけてみる。


顔色が良く、とても病人には見えない。


ミチルの話はウソなんじゃないかと思うくらいに。


休部してることは相変わらず伏せておいた。


話題ができるだけ野球部にいかないようにするのに一苦労だ。


「先輩とずっとこうしてお喋りしてたいんだけどそろそろ帰らないと」


「そうだったな」


「長時間の外出は禁止されてて」


たった一時間のデート。


でも一生忘れることのない、かけがえのない時間だった。