「先輩が生まれて初めて作るお弁当を私、今から食べられるんですね。ワクワク」
と言って、ユイがおにぎりにかぶりついた。


「どう?」


「おいしいですね」


お世辞でも嬉しいというものだ。


「良かった。ホッとしたよ。美浜ってやっぱ優しいな」


「いえいえ。本当においしいから褒めたまでですよ」


「ミチルだったら今頃、酷評してるよ」


つい悪口を言うと、木陰からもの凄いスピードで石が飛んできた。


どうにかかわしたが、ミチルの仕業に違いない。


どこかでオレたちの成り行きを監視してるのだ。