ユイからの誘いは願ったり叶ったりだった。


未来に連れていくということは、言葉は悪いけど、半ば誘拐みたいなものだ。


病室から連れ出すのは至難の業だ。


うまく二人きりになれるといいんだけど。


悩んでいた矢先の、渡りに船の提案だった。


「一番手っ取り早いのはホテルに連れ込むことね」


「あのなぁ」


「マモルにその度胸があればの話だけど」


「バカにしやがって」


いちいち人の気持ちを逆撫でする奴だ。