泣いている理由は言えなかった。
でも、
私は先生に言ってしまった。
「先生…さっき一緒に歩いていた人誰ですか…?」
こんな事聞こうとも思っていなかった。
ただ勝手に口が動いてしまった。
でも、先生は答えてくれた。
「さっき歩いていた人は妹だよ!
今日ね、夜の夏期講習で使うものアパートに忘れてきたから妹に届けて貰ったんだよ!」
何だ…。妹か…。
ほっとしたせいかまた、涙が出てきた。
そして無意識に先生に抱きついてしまった。
「綾乃ちゃん!?え!だ、大丈夫?」
「先生…涙が止まるまで抱きついていてもいいですか…?」
先生は凄く驚いていた顔をしていたが
涙が止まるまで私の側にいてくれた。