先生…
付き合ってたんだー…。
あんな綺麗な人が好みだったなんて…。
私もあんな風になれたら…





何思っているんだろ…。




あぁ…
涙が止まらない…。



ヒック………………ヒック………………。


私は、涙が止まらなくなった。
カラオケを出て


美月と別れた後、

私は、



ひたすら歩いた。





どこに向かっているかも分からず
泣きながら歩いた。



泣いているとだんだん日が暮れて来た。

涙も治まってきた頃、
私は、足元の石につまづいた。


『やばい!!転ぶ!!』
そう思ったとたん
ふわっとした暖かい物が私を包んだ。



何でこんなにふわっとしているのだろう?
これは…。
もしかして…
私、誰かに助けて貰っているの?

私は、そう思い
直ぐに顔をあげ、謝った。

「す、すみません。助けて下さってありがとうございます!」


「やっぱ、綾乃ちゃんだったか~」


私は、びっくりした。
「きっ清武先生!?」
先生は心配そうな顔で私を見た。

「綾乃ちゃんが泣きながら石につまづく所を見かけて…。それより何で泣いているの?」



言えない。


清武先生が他の女の人と歩いていたことで泣いていたなんて。
言えない。