「また本借りに来てくださいね。」


そう言われて、
翔と図書館を出ようとした
そのとき。


「あ、ちょっと待った‼」


俺は無意識に
その子の腕を掴んでいた。



「え?」


目を大きく見開いて
俺を見つめるその子。