「そこで何してる。」
「あんだとっ!!!!」
「そこで…………何をしてるのか聞いてる。」
「別にテメェには関係ねぇだろ!!!」
1人の男が嗄綺に襲いかかった。
「止めてっ!!!!」
あたしが叫んだときにはもう遅かった。
嗄綺はその男に取り押さえられていた。
「その人を離してっ!!!!」
「!!!!」
たった一瞬だったけど嗄綺とあたしの視線が交わった。
「お願いっ!!!!関係ない人を巻き込みたくないの!!!!」
「うるせぇんだよっ!!!!」
その声と共にあたしの頬に鈍い痛みが走った。
「いっ………。」
すぐに殴られたのが分かった。
あたしはその男を睨んだ。
だけど、その刹那。
「えっ…………。」
あたしの目の前に見えたのは馬乗りになって男を殴っている『黒蝶』の姿。
だけど、2~3発だけ殴るとその男は何も反応をしなかった。
……………気絶してるの??
そう考えてるうちに拘束されているはずの腕や足が動いた。
パッとその先を見てみると…………。
次々に男達を倒していく嗄綺の姿があった。
その姿は……………。
「綺麗な…………蝶…………。」
まるで優雅に花に飛び移る蝶のように機敏な動きをしていた。