「じゃあ、本当にそうなのか今夜見せてくれ」
「え!?」

突然のことに、今日子は目を大きく見開きビックリしている。

 「俺の彼女は宝石の原石だな。磨いて、磨いて綺麗になる。それは全て俺の為と思っていいよな?」
 「あの……」
 「今日子、今日は帰さないから」
 「え!? ちょっと、あの、その」

 今日子が焦った理由がわかったのか、

「何もしない。まだ今日子自身の準備が整うまで何もしないから。約束する」

 後藤はそういった
 今日子は、それに黙って頷いた。
何を指しているのか、経験がない今日子にも分かる。きっと近いうちにその時が来る。でもまだ怖さがある。それが無くなって捧げたいと思った時が整った時なのだろう。
 落ち着いて、お茶を飲みながら今日の一日の出来事を報告する。
 買い物をした袋を一つ一つ開けながら、自分に充てて後藤に見せる。この服を買う時は植草がこういった、中島が選んだ、などと話が止まらなかった。後藤はずっと頷きながら飽きることなく話を聞いていた。
後藤は買い物の事よりも、今日子が綺麗になったことよりも、自分を否定せず、前向きになってくれたことが何よりも嬉しい。
 そんな穏やかな時間を過ごしていると、後藤の携帯に着信があった。携帯を開き見た後藤の顔が恐ろしいくらいに怒っていた。どうしたのかと思っていたら、突然立ち上がり、リビングをうろうろとし始めた。

「大丈夫だ、落ち着け……この野郎……」

 などと、ぶつぶつ言いながらうろうろする。

「どうかしたんですか?」
「はっ!? い、いや……今日子、こいつは誰だ!」